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監査品目「エコ・ほうれん草」和郷園公開確認会

2月22日(木)、パルシステム千葉主催の公開確認会が行われました。

 

公開確認会は、消費者である組合員や他の産地の生産者、地域の農業の専門家などが産地に赴き、農産物の栽培・生産方法などを直接確認する、パルシステム独自の取り組みです。今年度は千葉県香取市にある『農事組合法人 和郷園』で、監査品目は「エコ・ほうれん草」でした。

和郷園のプレゼンテーションがあり、続けて「エコ・ほうれん草」の圃場にて監査を実施、また冷凍野菜工場(和郷園関連会社の株式会社和郷が所有)の視察を行いました。

農事組合法人 和郷園 佐藤理事からの プレゼンテーション

 

公開確認会には、基礎学習会・事前学習会を経て監査人となった組合員も参加します。自分たちの口に入る食べものが安全・安心であるためにどのような栽培管理がされているのか、組合員が直接産地へ行ってその目で確認しています。

当日は、和郷園の生産者と監査人をはじめ、一般参加の組合員や近郊産地の生産者、他都県のパルシステム生協役職員など総勢81名が参加し、畑の様子や作業場の視察、栽培記録の確認など、生産から流通の現場を確認しました。

パルシステム千葉主催の公開確認会を現地で開催したのは4年ぶり

2月14日(水)に行われた「事前監査」では、和郷園のプレゼンテーションの後、帳票の確認、現地の視察をしました。たとえば集荷場では生産者の負担を少なくする工夫を見られました。アプリの活用により作業効率のアップを図ったり、生産者の出荷・販売管理の負担軽減できるようにペーパーレス化も推進していました。

ふだんの産直交流では聞かれないような難しい用語も飛び交いますが、監査人もさまざまな視点から質問や意見を重ね、和郷園の取り組み・理念についてもしっかり聞きとったうえで、22日の公開確認会に臨みました。

公開確認会に先立って行った事前監査で集荷場を視察

エコ・ほうれん草圃場視察

  • 公開確認会では、生産者長瀬さんの圃場・作業場を視察させていただきました。あいにくの雨となりましたが、畑には濃い緑が鮮やかな立派なほうれん草が育っていました。ほうれん草の合間に「ホトケノザ」が生えていることがあり、収穫の際にいっしょに刈り取ってしまうという苦労話も聞かせていただきました。

  • 出荷場や農業資材置き場なども見せていただき、きちんと整理され、作業しやすい環境であることがよくわかりました。また、JGAP認証(※)も取得されていて、適正な農場運営、持続可能な農業に取り組んでいることが認証されていました。

※JGAP:生産者が農産物を作る際に適正な手順や物の管理を行い、食品安全、労働安全、環境保全を確保する取り組みを第三者に審査してもらう制度のこと。

 

冷凍加工工場「さあや’S キッチン」見学

ライフスタイルの多様化に対応するため、「もったいない」をキーワードに野菜の加工工場を設立。今回はその工場も見せてもらうことができました。

おいしくて栄養価の高い旬の時季の野菜を年中食べられるように冷凍加工。サイズや形などが規格外の野菜を使いやすく加工したり、お料理セットなどのカット野菜として活用したりすることで、食品廃棄を減らすことができています。

また、加工工場の都合ではなく、農家さんに合わせて機械を稼働させているとのこと。生産したものをより有効に活用することにより、生産者のリスクが減るように考慮されていて、生産者も一生活者として大事にされていることが感じとれました。

冷凍加工工場「さあや’S キッチン」

監査所見(抜粋)

  • ◆組合員監査人:松本 由美子さん

    一貫した理念と明確なビジョンをもち、和郷園を基盤として和郷グループ形成することにより、生産者の所得向上、周辺地域の雇用を創出していることを確認しました。

  • ◆組合員監査人:山内 真由美さん

    和郷グループ全体で、農業を通じてすべての人を笑顔にする事業を展開しており、ちょっと視点を変えて創造するだけで、事業の幅が拡がるということを理解しました。

  • ◆パルシステム千葉監査人:中村 真紀理事

    今回の公開確認会を通し、和郷園がいかにスタートし、今のように都会の人々を魅了し、地元の若い人たちに雇用を生んだり、日本中世界中に市場を拡大したりしているのかお話をお聞きし、とてもワクワクしました!共に日本のアグリイノベーションを楽しんでいきたいと思います。

  • ◆パルシステム千葉監査人:山本 香美理事

    需要と供給は日々さまざまな不確定要素によって変動するため、現状では『エコ・ほうれん草』が組合員には『ほうれん草」として供給されることもあると知り、改めて需要と供給をあわせていく難しさを知りました。

  • ◆生産者監査人:葉菜野果産直 塙 正樹さん

    和郷園の生産者の多くがJGAPを取得しており、安全・安心に取り組んでいるのは素晴らしいと思います。自分の産地でも見習わなければならないところも多くあり、これからの産地運営に役立てていきたいと思います。

  • ◆全体監査人:パルシステム連合会産直事業本部第1産直部長 那須 豊さん

    長瀬さんの農場管理においてもGAPに準拠した管理、記録が整備されていることが確認できました。その中で長瀬農園の経営方針、目的は「職業・年齢・経験を問わず、楽しく農業に取り組む」とされています。次世代の人材確保、育成も進んでいますが、公開確認会の実務的な対応も含め女性がさらに活躍できる体制になっていくこと希望します。

 

ENJOY!AGRI INNOVATION

和郷園は農業者の自立・自律を活動理念に掲げています。自分のものを自分で売り、自分たちで直接取引ルートの開拓をはじめ、受注生産を開始しました。そんな生産者の集まりである和郷園と、販売加工さらにその時々のニーズを先取りした新規事業を展開する株式会社和郷から、公開確認会を通して熱い想いを感じることができました。

木内代表の挨拶の中で、あらゆるものを吸収しようと学び実行してきたとのお話がありました。そして、現在も学び続け、チャレンジし続ける、その実行力の凄さを感じました。

農事組合法人和郷園:木内 博一 代表理事

運営方法の見直しで監査や分析を外部委託やオンライン化によってスマート化し、産地に付加価値を付けること、外国人技能実習生の研修やサポートにも尽力され規模を拡大されているとのことで働き手の担い手育成にも力を入れており、代表の話だけでも「農業」の将来を見据えられた運営をされていると安心しました。

和郷グループ全体で、農業を通じてすべての人を笑顔にする事業を展開しており、「ちょっと視点を変え、創造するだけで、事業の幅が拡がる」ということを理解しました。公開確認会で、農業の明るい未来を見させていただくことができました。

これからも食の安全を守っていきましょう!

イベント概要

公開確認会とは、組合員が産地を訪れ、生産方法や安全性への取り組みを直接確認するパルシステム独自の二者認証システムです。
今年度は農事組合法人和郷園で開催します。監査品目は「エコ・ほうれん草」です。産地の努力や農業について理解を深める貴重な場でもあります。ぜひ、この機会にご参加ください。

     

    公開確認会とは

    「公開確認会」は「自分の口に入るものはまず自分の目で確かめたい」との組合員の声で始まりました。消費者である組合員が産地を訪れ、農畜産物の生産方法や安全性への取り組みを直接確認するパルシステム独自のシステムです。公開確認会では組合員が「監査人」という立場で参加し、その産地の栽培の記録や書類の整備、栽培のこだわりなど、生産者の日ごろの努力を組合員自身が確認する役目を担います。

     

    開催日程 2024/2/22 (木) 8:30 JR「成田」駅集合/18:00解散予定(バス移動)
    会場名 和郷園
    会場住所 千葉県香取市新里1020
    アクセス JR「成田」駅8:30集合(バス移動)
    定員 20名
    参加費 無料(昼食付き)
    保育 なし
    申し込み
    締め切り日
    2/5(月)正午
    ※応募者全員に2/9(金)までに当落結果をお知らせします。
    申込/
    お問い合わせ
    組合員・産直・コミュニティ活動推進部 
    TEL:047-420-2605(月~金 9:00~17:00)
    メール palchiba-kikaku@pal.or.jp