パルシステム千葉は、2001年度に「パルシステム千葉コミュニティ活動助成基金」を設置し、地域の問題に市民事業・活動として取り組む団体に対して、資金や広報の面で支援しています。
今回、2019年度の交付団体の一つである『NPO法人 親子の未来を支える会』の皆さまの活動について、ご紹介させていただきます。
「出生前検査」という言葉の認知度が上がってきている中、検査の目的や方法が正しく理解されていないと感じていました。赤ちゃんを安全に生むための検査でもあるはずなのに、「検査=命の選別」という罪悪感ばかり強調されています。
特別な検査を受けていなくても病気や障がいが見つかることもあるのに、結果に向き合うのは自己責任で、悩んだときのサポートが不足しています。医療者だけでは立ち向かえない課題でしたので、当事者や家族、エンジニアらを集めて会を立ち上げました。
医療的ケアが必要な子どもたちの通学サポートを行っています。人工呼吸器が不可欠な子どもが就学拒否をされたり、修学旅行が不可、または親の付き添いを必要とされたりするケースが少なからずありますが、医療関係者のサポートにより、親の付き添いなしでの登校や行事へ参加できる環境作りを、自治体と連携のもと行っています。
また、現在「胎児ホットライン」の設置を準備しています。赤ちゃんの病気が見つかった方の相談窓口であり、今すでに行っているピアサポートサービスで足りない支援を行なっていきます。さらに、妊婦さんや家族のためのブックレット「おなかの赤ちゃんと家族のために(月編・星編)」を発行しています。
そのほか、家族会の立ち上げの支援も行っています。「コーエン症候群(世界でも確認されているのは千人ほど)」の患者のご家族から「他の患者に会ったことがない。」との話があり、ウェブサイトで呼びかけたところ、5家族が集まりました。我が子より年長の患者の方に会えたことで、「子どもの将来像が見えた」との声もいただきました。それ以降、年に1度集まり、情報交換等を行っています。また、22q11.2欠失症候群など、他の症候群のサポートも行っています。
メンバー全員が仕事を抱えながら時間をやりくりして活動しており、人手不足、さらに資金不足は大きな課題です。病気や障がいがあっても温かく迎えられる社会、個々の家族の選択を支えられる社会を目指し、今以上に様々な専門分野の方をメンバーに迎え、当団体の活動をさらに広げていきたいと思っています。
パルシステム千葉助成金の活用
「胎児ホットライン」のブックレットの作成費、およびコーエン症候群患者家族会のキックオフイベント費用として活用しました。 |
(注)コミュニティ活動助成基金交付団体の活動紹介については、毎月「週刊情報紙 ぱるのぉと」に掲載していましたが、現在、ぱるのぉとは通常の形式での発行を休止しているため、このたびホームページにてご紹介させていただきました。
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