• 機関紙

Palnote vol-167 2025年5月3回号掲載【特集】土づくりからこだわる有機栽培
ひたすら“うまいお茶” をめざして

茶葉にうまみとなる味をのせるため、従来の茶の栽培では、化学肥料で栄養を与えるのが一般的です。ところが、その栄養が害虫まで引き寄せるので、化学合成農薬の併用が必須とされています。そうした中で、25年ほど前、「洗わずに使うお茶に、農薬を使っていていいのだろうか」と疑問をもった一人の生産者が思い立ち、そこから、「有機栽培でおいしいお茶」を作るための取り組みが始まりました。

失敗と試行錯誤の連続
それでも「有機」にこだわって

当初はどのような肥料をどのくらい使用したらおいしくなるのかわからず、化学肥料を使用しないで茶葉にしっかり味をのせることに苦心したとのこと。おいしいお茶に必要とされる充分な養分を与えた結果、害虫を寄せ付けて茶畑を全滅させてしまったこともあり、試行錯誤を繰り返しながら、なんとか少しずつ前に進んでいったそうです。

独自の肥料で虫も味方に

「おいしい有機栽培茶を作るには土台となる土づくりが重要」だと考え、とことん肥料にこだわった結果生まれたのが、「ぼかし肥料」でした。油かすや米ぬか、魚粉などを約半年間発酵させて作るこの肥料は、根からの吸収がよく、化学肥料を使わなくても茶葉が栄養を蓄えることができます。

この肥料でフカフカになった茶畑の土には、害虫の天敵となるミミズやテントウムシなどの益虫もやってくるように。有機の肥料でたくましく育つ茶の木は、40年~50年もの間、おいしいお茶を生み出してくれるのだそう。

とはいえ、まだ「有機農業」自体があまり知られていなかった当時、大変な労力をかけて作る「有機栽培茶」の需要はなく、市場では「有機茶=おいしくない」というイメージもあり、安価でしか買ってもらえない状況が続きました。そのような中でお茶の製造メーカーである「(株)水宗園本舗」、そしてパルシステムと出会い、販売先が確保できたことが有機圃場を拡大するきっかけになったとのことでした。

「安全・安心で、なおかつ有機茶ならではの味と香りをたくさんの方に味わってほしい、“有機といえば知覧”と言ってもらえたらいいですね」と語る塗木さん。その夢は大きく広がっています。

産直産地:うまか有機銘茶会(鹿児島県)
(左から)塗木裕一郎さん、大介さん

有機栽培のお茶はここが違う!

 

じっくり発酵させて作るぼかし肥料。ゆっくりと茶の木に吸収され、茶葉に甘みとうまみを与えます。

ぼかし肥料を与え続けてきた茶畑の土はフカフカ。たくさんの菌がすみつき、茶づくりを支えています。

知っているようで知らない“お茶”あれこれ

  • (株)水宗園(すいそうえん)本舗 山口さん
    その年の初めに収穫される「一番茶」は旨みや香りなどお茶の成分が豊富!春はぜひ新茶の味わいを楽しんでください。

おいしいお茶の淹れ方

『鹿児島知覧有機栽培の産直緑茶』は、茶葉のうまみや甘みを味わえる逸品。1煎目は、じっくり時間をかけて淹れてみてください。お茶成分がたっぷりなので2煎目もおいしく飲めますが、2煎目はすでに茶葉が開いているので時間をかけず注ぐのがポイントです。

  1. ポットから湯のみにお湯を注ぎ冷まします。(約2分 60~70℃)
  2. 急須の中に大さじ1杯の茶葉を入れます。
  3. 湯ざまししたお湯を注ぎ約40秒ほど待ちます。
  4. ゆっくりと均等に注ぎ入れ、最後まで絞り切ります。

お茶を注ぐときの最後の1滴、「ゴールデンドロップ」には、お茶の味が凝縮されていて、お茶にコクを与えます。ぜひ最後の1滴まで淹れて味わってください。

『鹿児島知覧 有機栽培の 産直緑茶』
新茶の時季は「一番茶」を使用!

保存方法と出がらしの活用法

 

お茶はにおいがつきやすいので、封を開けた後は茶筒などに入れてしっかりふたを閉め、暗い場所や冷蔵庫での保管を。2~3週間で飲みきるのが良いでしょう。

出がらしはしっかり乾燥させてからお茶パック等に入れて防臭・消臭剤代わりに。においを吸着しやすい性質があるので、玄関などに置くのもおすすめです。

冷水ポットで冷たいお茶も!

『鹿児島知覧有機栽培の産直緑茶』は、茶葉のうまみや甘みを味わえる逸品。1煎目は、じっくり時間をかけて淹れてみてください。お茶成分がたっぷりなので2煎目もおいしく飲めますが、2煎目はすでに茶葉が開いているので時間をかけず注ぐのがポイントです。

最近は「急須」がないご家庭も増えているようですが、実はお茶は低めの温度で淹れる方が甘くなるので、時間をかけて「水出し茶」にするのもおすすめです。茶葉と水をボトルに入れて冷蔵庫で1時間ほど冷やせば、甘くておいしいお茶ができますよ。

鹿児島知覧の産直原料を使用したパルシステムスイーツ

  • 知覧抹茶クリームの今川焼 

  • 芽吹き屋の知覧抹茶とろり

  • 知覧ほうじ茶アイスクリーム

  • 知覧抹茶モンブラン(有機栽培の 産直抹茶使用)

鹿児島知覧 有機栽培の産直茶シリーズ

茶の葉>不発酵茶

 

『鹿児島知覧有機栽培の産直緑茶』
茶摘みの後に発酵させず製造していくのが「緑茶」の特徴

『鹿児島知覧有機栽培の産直ほうじ茶』
番茶などを強火で炒って作るのがほうじ茶。有機栽培の茶葉を使用した香ばしい仕上がり

『有機栽培の産直抹茶入り玄米茶』
番茶に炒った米を混ぜたものが玄米茶。産直有機玄米と有機緑茶、有機抹茶(いずれも産直原料)を使用

『産直知覧・有機栽培水出し緑茶』
一番摘み茎茶と一番茶の抹茶を加え、香ばしく上品な甘みに。手軽に楽しめるティーバッグタイプ

 

※番茶:新葉が伸びて硬くなった葉や茎などを原料にしたお茶

 

茶の葉>発酵茶

『鹿児島知覧有機栽培和紅茶』
鹿児島県知覧産の有機・産直原料を使用。渋みが少なく、すっきりとした味わいとほのかな甘み

飲料>ABパック

『産直知覧の有機緑茶(AB)』
産直原料使用。茶葉を低温抽出し、すっきり飲みやすいまろやかな味わい。苦みひかえめ