Palnote vol-171 2025年6月3回号掲載【特集】必要な物資を必要な場所へ
フードドライブの取り組み
日本の食品ロスは年間約472万トン。そのうち約236万トンは家庭から発生しています(令和4年度現在/環境省HP)。一方で厚生労働省の調べでは、国内の「約8.7人に1人の子どもが貧困に苦しんでいる」と言われています(令和3年/政府広報HP)。

食品ロスを削減し、食べ物を必要としている方に活用されるよう、パルシステム千葉では「フードバンクふなばし」「フードバンクちば」「フードバンクさんぶ」「フードバンク安房」「とうかつ草の根フードバンク」と協力して、フードドライブの取り組みを行っています。
「食べ物を大切にしたい」「困っている方へ役立ててほしい」という想いで、皆さんから届けられる食料品が、どのように活用されているかをご紹介します。
生協の宅配の仕組みを活用し、配送時に食品をお預かりしています。賞味期限が2カ月以上の常温品であれば、パルシステムの商品でなくても受け付けています。寄せられた食品は、賞味期限ごとに仕分けしたうえで千葉県内のフードバンクにお届けしています。

一つひとつ賞味期限を 確認して仕分けます
フードバンクでは、食料品を必要としているご家庭の家族構成などをもとに箱詰めする中身を吟味します。さまざまな事情で調理がむずかしいご家庭もあり、その場合はそのまま食べられるものを増やしたり、お子さんのいるご家庭にはお菓子を多めに入れるなど、お届けするご家庭のくらしを思い浮かべながら詰めていくのだそう。

お届けの際はお手紙も同封します
少しでも多くの食品をお届けしたくて、「この隙間にまだ缶詰が入る」「あと1袋ならパスタソースが入りそう」など、パズルのように組み合わせながら、組合員の皆さんから寄せられた想いをぎっしり詰め込んでお届けしています。

行政より
生活保護を申請する場合、保護費が支給されるまで2週間~1カ月程度かかりますが、すでに手持金がわずかな方が多く、その間のつなぎにフードバンクの食料支援は大変役に立っています。
生活困窮者自立支援事業者より
失業や病気、介護等の理由で働くことができず、生活が立ちいかなくなった方が相談窓口には多く訪れます。中には数日食べていないという方も。フードバンクから提供された食品をストックし、すぐにお渡しできるようにしています。
子ども食堂への支援も
賞味期限の短いものや調味料などは、フードドライブを通じて子ども食堂にも届けられています。予備青果(※)とともに子ども食堂で提供されるメニューや、フードパントリーで配布されるお弁当などに活用されています。
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フードパントリーで 配布したお弁当
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予備青果を使った カレーなどを提供
※生協の宅配は、前週に注文を受けるロスの少ない仕組みとなっていますが、青果については産地からの輸送中に傷むなどのリスクに備え、あらかじめご注文分より多く仕入れています。そうした予備青果を子ども食堂への支援等に有効活用し、食品ロス削減にもつなげています。