デイサービスの食事に求められるものは何でしょうか?
病を癒す病院の食事とは違って、デイサービスの食事は一言で言うと「元気の出るごはん」なのだと思います。
厨房の作り手も、それに近づくような食事作りを心掛けています。
自宅では調理に手のかかる料理でも利用者の方にとって、命綱にもなり得る食事。
バランスを考え、可能な限り一から手作りの温かい食事であることをモットーに、毎日お昼に向けて時間との戦いに挑んでいます。
食事の形状もお粥をはじめ、一口サイズなどの刻み方や、とろみをつけるなど工夫したり、アレルギーに関しては、他の食材に変更して提供しています。
利用者の方から「おいしかったよ」や「いつもおいしいね。これはどう作るの?」と声を掛けていただいた時が一番の喜びです。
食事の後には、片付けと夕飯用に持ち帰ってもらうためのお弁当作りが始まります。
お弁当は利用者の方がどのくらい食事を取られたかを確認できる、よい機会になっています。
手作りの煮物・揚げ物・和え物・サラダ・焼き物等、お弁当を食べている利用者の方の顔を思い浮かべながら、一つ一つ作っています。
これからも利用者の皆さんやスタッフにとって「元気の出る食事」となるよう、日々努力し作っていきたいと思っています。
〈認知症の方への接し方〉
認知症度が高い方は、過去の記憶は残っていても、短期記憶が難しく、最近のできごとはすぐに忘れてしまいます。
こういった場合、自尊心を傷つけない接し方が重要です。
できるだけ笑顔で接し、否定をしないこと(共感すること)が大事です。
昼食を「食べていない。」と言われた時は、「今、食べたでしょ。」と言っても本人に食事の記憶がありません。
「今準備しているので待っててくださいね。」と気をそらすことも有効です。
また、怒鳴られた、馬鹿にされたなどの悪い記憶は感情として残るので、柔らかな言葉で対応し、よい気分を残してあげることが大切です。
音女通りデイサービス
介護福祉士 櫻木ひとみ