イベントレポート

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2017/07/07レポート公開

5月、6月はパルシステム産直産地の総会の季節です。今回、鶏肉の産直産地である「までっこチキン生産者連絡協議会」の総会に出席しました。

 「までっこチキン生産者連絡協議会」は、までっこ鷄の生産者と鶏肉の処理、出荷をする会社や地元農協、パルシステム連合会からなる組織で、パルシステムの組合員に安全、安心な鶏肉を年間通して安定供給し、組合員との交流を進める目的で作られました。

 現在パルシステムのまでっこ鶏の指定農場は岩手県北部を中心に48農場あり、年間約140万羽を出荷しています。「までっこ鶏」は光と水にこだわった開放型鶏舎で抗生物質や合成抗菌剤などを使わない無薬飼育で育てています。食肉用の鶏ではありますが、生き物として幸せな環境で飼育するという“動物福祉”の考え方も実践しています。

 総会では決算や次年度方針の報告のあと、20回目の総会ということでパルシステムの前身である首都圏コープ事業連合の頃からの19年の歴史を振り返り、までっこのネーミングの由来や、公開確認会の様子など懐かしい写真を見ながらお話を聞くことができました。までっこの「まで」とは岩手の方言で、「丁寧」という意味です。

 今年は東北地方でも鳥インフルエンザが発生し、厳重な防疫体制が取られており鶏舎には関係者以外立ち入る事はできません。19年前、協議会ができた当時は組合員も鶏舎内部を見学でき、現在のこの様な状況は考えられませんでした。

 また、までっこ鶏は8年前から仕上げ期飼料に飼料米を3%配合した取り組みを開始し、今年は3,500トンの使用実績になりました。2014年には全国環境保全型農業推進コンクールの優秀賞に選ばれており、資源循環、環境保全型養鶏に積極的に取り組んで来たことがわかります。

当日は鶏肉処理工場とバイオマス発電所も見学しました。

鶏肉の処理工場は衛生管理が厳しく、見学者も全身を白衣と帽子、マスクで覆い、念入りに消毒やチリを取るローラーがけをします。驚いたのは生肉を扱っているにもかかわらず、工場内の臭いが全く無いことでした。毎日終業後に専門業者が3時間かけて清掃をして、清潔な環境を保っています。

 また、鶏糞を燃やして電気を作るバイオマス発電にも取り組み、今年からパルシステムでんきに供給を開始しています。

 沢山の鶏を育てる過程で出る糞の処理は大きな問題です。

これまでも鶏糞から堆肥を作り資源循環型を追求して来ましたが、農業人口の減少や季節的な需要の偏りで肥料だけでは処分しきれなくなって来ました。この大量の鶏糞と再生可能エネルギーを繋げたのがバイオマス発電です。

鶏糞を資源として再生可能エネルギーを作り、鶏肉を食べたパルシステムの組合員がこの電気を使う、という大きな循環の輪ができました。燃やした鶏糞は元の1割程に減り、肥料として再利用されます。

 6年前の東日本大震災の時には鶏舎が倒壊を免れても輸入飼料が届かずに、沢山の鶏が衰弱死しました。

飼料米を地元で調達し、再生可能エネルギーを自らの手で作るという事は、震災での経験を無駄にしないという、「までっこ鶏」の生産、加工に携わる産地の方々の想いなのだと感じました。

私たち組合員も想いを共有し、資源循環型社会の一員として、共に作る関係を 尚一層強めていきたいと気持ちを新たにした2日間でした。

 

 理事   猪股  千文

 

イベント概要

情報掲載日:2017年7月7日